この項目をお読みになる方は、もう既に乾癬がどういった疾患かご理解している方が多いように思いますので、どういった病気かは別項にゆずります。
スタンダードな治療は、ステロイドおよび、ビタミンD3の外用です。
掻痒がある例では、抗アレルギー剤の内服も併用します。
また、紫外線療法ナローバンドUVBを照射することも乾癬に有効です。
乾癬が重症である場合、皮膚科の標準治療として免疫抑制剤や生物学的製剤を使用しますが、これらの治療や、ステロイドの外用治療は、乾癬の根本治療ではなく、症状を抑えるための治療であることを頭に入れておきましょう。
当院では、まず、乾癬の方の全身状態をある程度把握することに努めます。
ですから、健康診断の結果や既往歴、生活習慣の問診はとても大切なのです。
健康診断の結果を見させていただいて、さらに精査が必要な部分を採血させていただくこともあります。
さて、乾癬は戦争中には罹患率が減る、と言われている疾患です。
戦争中の粗食になると改善する。
日常生活の食習慣が深く関わっていることがおわかりいただけるでしょうか。
ですから、乾癬の治療には、食事や生活習慣の改善がとても大切です。
そして、腸のケア、肝臓のサポート、細胞環境の改善、漢方で気を巡らす、血を巡らす、胃腸を整える、 また、病巣感染といって、体内の他の部分に炎症があると、治りにくいことがあり、逆に言うと、病巣感染の治療を進めると、改善していくこともあるようです。
漢方は、西洋医学にない効能をもち、乾癬においてはさます処方、肝の気をおさめる処方、瘀血の処方がよく用いられているように思います。
典型ばかりではないので、証にあわせて、サポートしますが、メインは、やはり、最初に挙げた生活習慣の改善です。
悲観することばかりでなく、この疾患の治療をとおして、この疾患にかからなかったらかかっていたかもしれない病気の予防もできますから、前向きに対処しましょう。
逆に言いますと、糖尿病や、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病を合併している方が多いのですが、乾癬の早い時期から、生活習慣の見直しをおこなっていると、それらの疾患の発現を回避したり、遅くしたりすることができると思います。
最後に、乾癬の患者様は特に、夏は日焼けをよくしましょう、できればきれいな海で。
スキンタイプ1(日に焼けても赤くなるだけで茶色くならない)の人やシミや皮膚ガンが気になる方は、手のひら足の裏を。