木枯らしの吹く頃になると、全身の皮膚、特に下腿の部分がかさかさ痒いのを感じることはありませんか?
これが、皮脂欠乏湿疹です。
冬になると、温度が下がり、絶対湿度が低下し、空気がより乾燥してきます。また、暖房器具の使用により、乾燥に拍車がかけられます。
第一段階としては、皮膚に粉を吹く程度なのですが、さらに進むと、表皮の角質層の部分がすかすかになり、皮膚のバリアー機能が壊されてしまい、刺激が皮膚のさらに内側にある、真皮の部分に伝わってしまいます。この部分には、神経や血管がありますので、さらに刺激は強く伝わり、より強いかゆみを感じることになります。
そして、かゆみ→かき壊し→さらに痒くなる→さらにかき壊す・・・・という悪循環が生じ、次の段階では皮膚の損傷へと進んで行きます。この段階では皮脂欠乏湿疹から“貨幣場湿疹”へと発展しています。
適切な保湿剤の使用でだいぶ予防ができます。ただ、貨幣状湿疹まで進んでしまった場合は、一時的ではあるにしろ、しっかりステロイド外用(包帯での保護もした方が効果的)する必要があると思います。
この場合、漢方薬は、体質に応じて、適宜追加するとよりはやくいい状態になることができることもあります。